和音
いよいよ「和音」について説明します。
ここでは「和音」とはいわゆる「3和音」を扱います。一番基本的な和音です。
そもそも和音とは?
3つ以上の音を重ねて(同時に鳴らして)出来るものです。2つの場合は重音と言います。
不協和音と協和音
いくつかの音を重ねて出来るのが和音ですが、音同士の相性が悪いと変な感じの音になります。
ただ、この「変な感じの音」というのが時代や各自の好みによって違う事があります。
ここでは「3和音」を協和音とする、クラシックの基本的な響きを扱う事にします。今回の説明で「これは不協和音」となっている物も時代や音楽の種類が違うと「それは有り」になったりします。
そもそも音に「良い音」や「悪い音」など無いのですが、音楽にはスタイル(様式)という物があります。スタイルにそぐわない音を使った場合おかしな響きになる事がありますので、「どんな音を使った方が自然なのか?」は考える必要があるわけです。
いわゆるクラシックにジャズで使われる様な11や13の和音を多様したら変ですし、ボサノヴァをやるのに3和音だけしか使わなかったら「なにこれ?」と感じるでしょう。
なのでここで扱う以外にも沢山の和音があります。が、全部を一度にやると訳が分からなくなりますので、一番基本的な物だけを扱う事にします。
和音の構成
先ずはこちらをご覧ください。
「3和音」は三つの音で出来ていますが、それぞれに名前が付いています。
根音:和音の基礎となる音。根っこの音だから「根音」というわけです。英語では「ルート」とも言います。
この音は任意で選びます。上の例では「ド」ですが何の音でもOKです。
第3音:根音から数えて3度の音です。前回やった「音程」を思い出して下さい。
この第3音が根音から見て長3度か短3度かで和音の性格が決まります。
第5音:根音から数えて完全5度の音です。3つ目の音なのに第5音、という名前なのは根音から数えている為です。
第3音によって和音の性格は変わりますが、この第5音は常に根音から完全5度です。
色々と見てみましょう
それぞれ音の高さに変わりなく根音、第3音、第5音と呼びます。
長和音
第3音が根音から見て長3度の時に長和音と言います。英語で言うメジャーコードのことで、明るい響きがします。
例
それぞれ音程を数えてみて下さい。根音から長3度→第3音から短3度→第5音となっているのが分かるでしょうか?
次の和音を#や♭を使い長和音にして下さい。ルールとして変えてはいけない音をそれぞれ決めます。
第3音は根音から数えて長3度、第5音は必ず完全5度になるようにして下さい。
例えば一番左の「ミ、ソ、シ」は動かしてはいけない音が根音です。「ミ」ですね。「ミ」はそのままで次の「ソ」を見ると根音である「ミ」から短3度です。長和音にするのですから「ミ、ソ」は長3度にしなければなりません。さてどうすれば良いでしょう?
右の二つは第3音や第5音を動かしてはいけないことにしてあります。
ヒントは、最初に動かしてはいけない音から数えて「どういう音程になっているか?」を数える事です。
答えはこのページの一番下にあります。
短和音
第3音が根音から見て短3度の時に短和音と言います。英語でマイナーコードと言います。暗い感じの響きです。
例
今度は根音から短3度→第3音から長3度→第5音です
次の和音を#や♭を使い短和音にして下さい。ルールとして変えてはいけない音をそれぞれ決めます。
長和音と短和音はここが違うだけ
「ド、ミ、ソ」が第3音である「ミ」に♭付けて「ド、ミ♭、ソ」になるだけで響きがずいぶん変わります。
前者が長和音で後者が短和音ですね。
長和音
短和音
第三音が変わるだけでこんなに響きが変わるのです。ポジション表も付けたので音を出してみて下さい
第3音と第5音の関係
長和音の時は第3音と第5音は短3度になります。反対に短和音の時は第3音と第5音は長3度になります。
これは根音から第5音までの幅は(つまり和音の端から端までの距離)変わら無いためです。
イメージ(棒の数は音程の度数と同じではありません)
長和音 短和音
○ ○
│ │
○ │
│ ○
│ │
○ ○
それぞれ真ん中の丸(第3音の見立て)の位置は違いますが下の丸(根音)から上の丸(第5音)までの距離(棒の数)は変わりません。
いかがでしたか?和音も分解していけば音程の組み合わせです。音感が良い人なら聞くだけで「あ、これは長和音だな」などと分かるのですが、音感で分からなくても音程を数えていけば誰でも和音は分かりますし、作れます。
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ここより下に問題の答えあります
↓問題の答え↓
長和音にする方の問題の答え
短和音にする方の問題の答え